2008年07月30日

映画「百万円と苦虫女」自分探し・・・をしたくないんです。

「蒼井優」という女優さんは、中々不思議な役者さんでおそらくこの浮遊している
ような感覚や、鼻につく演技のうまさで苦手な人も多いんじゃないかと
思うのですが、名作「花とアリス」「フラガール」の役のように観客を
「蒼井優@疑似体験」モードにしてしまう世界観があります。
スクリーンの蒼井優を見ていると、いつのまにか蒼井優みたいなため息を
ついていたり、あの長い手をブラブラと前にしてペタペタと歩いてしまって
いるような感覚。
日本にこういういろんなカテゴリーにとらわれない女優さんが
いるというのは素晴らしいことです。
蒼井優でなければ、できない映画がそこにありました。

監督・脚本のタナダユキさんは、この華やかな芸能界にいてどこか
はかなげでそして所在なげで、授賞式でもぼーっとしている蒼井優に
主人公の「鈴子」を託したのはそういう思いだったんではないでしょうかね。

映画「百万円と苦虫女」を観てまいりました。
百万円と苦虫女.jpg
映画は、全然「癒し」「ほっこり」「スロー」「ゆるーい」みたいなのを
期待していたら、全く違います。

ある理由があって前科者(?)になってしまった鈴子の「without myself」
ロードムービーです。
鈴子は、ちゃんと仕事もできるし、言われたこともきちんとできる女の子
なのに、イマイチ「家族」という最小単体のコミュニティにもなじめない。
だから、おそらく「学校」「会社」「地域」そういうものにも上手に世渡り
というものをもたない。
適度な距離で人と関わっていれば、自分も傷つくこともないし、相手を
傷つけることもないということはしっかり理解している21歳。
「百万円たまったら、次の街へいく」と決めて、海の町、山の村、東京から
少し離れた地方都市と流れていく。
自分とどことなく似た「いじめられっこ」の弟。
めんどくさい弟だったけど、彼女は弟を心のよりどころに旅を続ける。

出会う人は、自分勝手な人もいれば、心温かい人もいる。
取り残された弟は悪質で下劣なイジメに必死に耐えている現実がある。
彼女は自分のことをまったく知らない人達の中でするりと漂々と生きる。
そして、彼女を知りたいと思い、彼女がするりとその町や村から
去った「心の種」を残していったことを淋しく思ったりする。
そして、彼女は「ヤバイ。乙女だー」と恋もする。
恋をする森山未来くん演じる中島くんもいい。
>多分、タナダさんは森山くんがすっごく好きなんじゃないかなー。
カメラワーク、優しいセリフ、とんがったセリフ、切ない気持ちを
封じ込めたところなど、森山愛が炸裂していたように見えちゃったわ♪(笑)

百万円と苦虫女2.jpg
現実から逃げて、自分勝手に生きているように見える姉を軽蔑していた
弟がそっと姉の鈴子のジャケットを握って、それから手を包む。
中島くんへの思いが通じて、二人が荷物を持ち替えてゆっくりとまさぐる
ように手をつなぐ鈴子。

「つないだ手」をカメラがクローズアップする。
このことを、タナダさんは自己投影している鈴子ちゃんに伝えた
かったことじゃないかな。

いろんなことから、逃げても、自分の思いやりで人を傷つけたくないと
思っても、やっぱり人間はこの「つないだ手」が必要で、それが「現実」と
向き合うただ一つの方法だということ。


中島くんのアパートで、切ったネギの根っこを鉢に植えていた中島くんの
素朴な表情に和み、心から笑顔をだして鈴子ちゃんと中島くんの
キスシーンが、とってもかわいくてステキなシーンでした。

(タナダさんは、とても丁寧に二人のことを撮っているなあと思いました)

ラストは賛否両論いろいろあるようですが、
私は、次の町で鈴子ちゃんが中島くんの思いをちゃんとわかるように
成長しているんじゃないかな。と思いました。
この恋は、アンハッピーなんかじゃないですよ。
うん、ぜったい!ぴかぴか(新しい)

★映画のツボ〜ちょっとネタばれ〜
・桃農家のピエール瀧さん、いやらしさ満点の刑事、田口トモロヲさん
 実にいい味です。
 ところどころ、素晴らしい役者さんが随所に♪
・鈴子ちゃんが「前科者」になるきっかけをつくった「バカップル」
 見つけたら思いきりぶん殴ってやりたいわ!!と私一人で怒っておりました。
・弟を陰湿にいじめるアホ小学生
 おばちゃん、見つけたらただじゃおかへん!と私一人で怒っておりました。
・森山未来@愛が炸裂しそうになるくらい、かわいかったー。
 自転車をぐんぐん漕ぐシーンは、セカチューでしたね。骨太で指のきれいな
 いい男に育っているわ〜と私一人で萌えておりました。
・自分のことを知らない町で暮らしてみたい。
 誰しも、そんな鈴子ちゃんのように思うことがあると思います。
 だから、インターネットもブログもこんなに普及したのかもしれませんよね。
 私のことを知らない人が私のこのブログを目にとめていただき、
 いろんな感じ方をしてくださることが、なんだかとっても不思議で居心地がよかったりするんですよ。揺れるハート
 
今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。(^^)
posted by mint2 at 00:09| 兵庫 ☀| Comment(7) | TrackBack(0) | 映画&ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
みんとちゃん
おはようございます。
ダンナちゃんは九州にいかなくてすみましたヨ。
携帯にメールするね。

この映画なんだか気になっていました。
自分探しをしたくないって後ろ向きのように聞こえるけど
いやがおうでも自分と付き合っている覚悟みたいにも
思えますね。
私も蒼井優ちゃんはスクリーンのほうがいいな☆
Posted by akko at 2008年07月30日 11:21
あっこどの♪
メールありがとう。
う〜む、大変だよね。どうなるんだろ?
今ちょっと読めなくて。。。(><)
詳細がわかれば必ず連絡しますね!!

ネガティブとポジティブの中庸という映画で
とってもおもしろく鑑賞しました。
蒼井優ちゃん、一時の宮沢りえさんみたいに
骨ばっていました。でもボヘミアン系チュニック
とかやっぱりかわいかったー。(^^)
ぶらぶらぶら下げているレース編みのバックも
かわいかったよ♪是非、東京でみてね。
Posted by mint2 at 2008年07月31日 01:44
一足お先に・・・
お誕生日おめでとうございますー!
Posted by JK at 2008年07月31日 02:53
JKちゃーーん♪
ありがとうございます。
この年になってお誕生日も何もないんだけど
大好きなお友達からメッセージをいただくと
とってもウレシイのでした(^^)
私も、ミュージックフェアを録画したので
送ります〜♪
今年はマンハッタンで乾杯☆しようね!!
Posted by mint2 at 2008年07月31日 14:14
映画のぬくもりが伝わってくるような素晴らしいレビューをありがとうございます。
わたしもこの映画気になっておりました。
でも最近ゆっくり映画を観る時間がとれなくて残念。

引っ越しが終わるまではmint2さんのブログで疑似映画鑑賞といきますわ。

蒼井優、好きな女優さんですが、私もフラガール後の彼女の激痩せを心配していたところです。
女優のプレッシャーというのも相当なものなのでしょうね。

さてさて、お誕生日はNYですか?
おめでとうございます。いいな〜!
そちらのレポートも楽しみにしてま〜す。
Posted by クーネルシネマ at 2008年08月01日 06:33
クーネル様
着々とステキなクーネル様のセンスたっぷりの
お家が完成のご様子。
私もとっても楽しみだわ☆>(^^)
酷暑さながらなのでクーネル様ご家族様もそうですが大工さん、内装業者さんも作業が大変だと思います。どうか熱中症にお気をつけあそばせね。

この映画はインパクトはあまりないのですが
ボソっとつぶやく蒼井優ちゃんのセリフとか
さすが女性監督らしい細やかな演出が光る映画でした。
弟役の少年とピエール瀧さんと森山未来くんがいいですよ♪
導入部分でちょっと引くかも?!(笑)
ポニョも行ってきましたよー。
女の本分を見たとは、確かにそうかも!!(笑)

お誕生日メッセージありがとうございます。
とんでもないですー。
マンハッタンで誕生日は夢の夢ですわ♪(わはは
Posted by mint2 at 2008年08月01日 12:55
mint2 さま

『百万円と苦虫女』がなんだか心に残って、ググっていたらこちらにたどり着きました。mint2さんの文章はとても心地良くてこの映画がさらに好きになりました。 
ありがとうございます。
Posted by タナカ at 2009年03月18日 19:29
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